もし車イスに乗っている人が段差を超えられずに困っていたら、少し力を貸して持ち上げる。
これくらいであれば誰にでもできることだろう。

しかし車イスに乗せてトイレまで連れて行き、そこで用を足すのを手伝うとなれば話は別となる。
手伝い方を間違うと相手に怪我をさせてしまう可能性があるからだ。

障害があって困っている人を手助けしたい気持ちがあっても、専門的な知識や技術がなければかえって迷惑をかけることになる。
迷惑だけならまだしも、場合によっては危険な目に合わせてしまう可能性もあるのだ。

一口に介護職といっても、その仕事には様々なノウハウが存在する。

介護職のプロとしてやっていくためには、基本的な知識や技術を磨かなければならない。
そのためには、介護現場で経験を積みながら、色々なことを学んでいく必要がある。

介護職というと単純な仕事が多いように見えるが、実はその1つ1つがとても奥が深く、専門職として非常に魅力のある職業だ。

社会福祉士や介護福祉士などの国家資格制度が誕生し、一定レベルの知識と技術を持った人が介護の専門家として認められるようになった。
さらに2000年には介護保険制度がスタートし、ケアマネージャーなど資格がないと特定の仕事ができないケースも出てきている。

このように介護職は専門性が求められるようになり、専門職としての誇りを感じられる魅力ある仕事へと変わってきているのだ。